医光寺は臨済宗東福寺派の寺院ですが、もとは天台宗崇観寺の塔頭でした。崇観寺は1363年に創建され、足利将軍の台翰(だいかん・手紙)をもって住職が任命される諸山格の寺院でした。有名な雪舟は崇観寺の第5代住職で、文明年間(1469〜1486)に塔頭のひとつに庭園を残しました。それが後の医光寺で、衰退した崇観寺に代わる寺院として17代益田宗兼により再興されました。
医光寺の雪舟庭園は、池泉観賞半回遊式で、鶴池に亀島を配置した吉祥の庭となっています。毎年3月中旬には枝垂れ桜が華やぎを添え、5月には一面のツツジ、夏は緑が涼やかで、秋には大きな楓が赤く染まります。そして冬の雪景色は、雪舟の描く水墨画の世界です。
開山堂の十六羅漢像は17世南嶺和尚による1木造りで、それぞれの羅漢の生き生きとした表情は素晴らしい出来ばえです。
本尊の薬師如来像は、鎌倉期の「安阿弥」作と伝えられ、脇侍の日光、月光菩薩もよく均衡がとれ、金箔の上に繊細な色彩がつけられています。
入り口に立つ総門は、益田氏の居城七尾城の大手門が移築されたものと言われています。
本堂と総門の間に立つ中門は江戸時代後期に建築されたもので、彫刻などの華やかな装飾が随所に見られます。
医光寺庭園(国指定文化財)
医光寺総門(県指定文化財)
医光寺中門(国登録文化財)
施設情報
開館時間 8時30分から17時
休館日 無休
料金
一般 500円(400円)、高校生 300円(200円)、小中学生 無料
【かっこ内は団体(20名以上)】
駐車場
大型バス 4台
普通車 20台
所在地
益田市染羽町4-29
電話番号
0856-22-1668